第7章: 黒いにゃんこの唄: 小章3

泣き果てて

体が少し血で汚れてたから
お風呂場できれいに拭いてあげた。

その間中
私はずっと泣いてた。

父が、私がまた
狂気の中に戻ってしまうのでは?
と心配して
あまり泣くなよ、と声をかけた。

だから
父の前では泣かず
クーラーボックスに
氷を入れて猫を入れ…。

自分の部屋に持ってきて
クーラーボックスを
さすりながら
猫の名前を呼んでは泣いた。

少し寝た。
起きてはまた
名前を呼んでなでる。
その繰り返しで朝が来た。

今でも思い出すと泣けてくる。

黒いにゃんこの唄

猫が死んでから
何年か経ったある日。
「黒いにゃんこの唄」が
降りてきた。

全部書き留め終わった後
声を上げて泣いた。

『黒いにゃんこの唄』

歌詞『黒いにゃんこの唄』

黒い猫にゃんこ どこから来たの?
私の声どこかで 聞こえていたの?
あの日からずっと 一緒にいたね
雨の日も雪の日にも お日さま出ても

にゃんこ 黒いにゃんこ
にゃんこ どこにいるの?
にゃんこ 命尽きても
にゃんこ そばにいてね

雪山眺めて 歩いてみたね
寒くても一緒にいたら ぬくぬくだったね
あの日からずっと 幸せ満ちて
私の歌に合わせて 一緒に歌ったね

にゃんこ 黒いにゃんこ
にゃんこ どこにいくの?
にゃんこ 命尽きても
にゃんこ そばにいてね

引っ越し決まって 一緒に来たね
新しいおうちにも すぐに慣れたのに
あの日のことは 忘れられない
私の黒いにゃんこが 逝ってしまった日を

にゃんこ 黒いにゃんこ
にゃんこ どこにいても
にゃんこ 命尽きても
にゃんこ そばにいてね

にゃんこ 黒いにゃんこ
にゃんこ 置いてかないで
にゃんこ 命尽きても
にゃんこ そばにいてね

にゃんこ どこにいても
にゃんこ そばにいてね


にゃんこは
きっとそばにいてくれる。

それが
私のわがままだとしても。

そんな猫だったから。