いつも目の前に
ドーンと構えている富士。
その姿にはいつも圧巻されて
どれだけ見ても
飽きることはなかった。
宇宙に近い場所
山で暮らしているあいだ
私は一度も
怖さや孤独を感じなかった。
きっと、いつも
宇宙とつながっていたから
…かなと思う。
宇宙の気配が
すぐそばにあるような場所。
実際
空がとても近いと感じてた。
大自然のその奥に広がる
大きな存在の中で
私はただただ
〝在る〟ことができた。
セカイと一体でいられる感覚…。
それだけで、十分だった。
テレビもなく
近所に人もいない。
世間の喧騒とは
まったくの無縁。
そういう意味での
〝情報〟は少なかったけど
宇宙からの情報は
いつも豊かに満ちていた。
音楽も
たくさん降りてきた。
1年で17曲できたこともあった。
また
曲にならない〝ことばたち〟も
よく響いてきてた。
病気の症状も
すっかり落ち着いて
創作に没頭する日々だった。
魂がよろこぶ贅沢な時間だった。
自給自足の
生活ではなかったので
食料は
里まで降りて買いに行った。
山での日常から離れて
人里を楽しむ——。
それが
私にとっての〝非日常〟だった。
山での創作
山での作曲には
ちょっと不思議なこともあった。
私の曲作りの時間は
普段でも長くて
1曲20分くらいなのだけど。
山にいた頃は
なんと3曲同時に
降ってきたことがあった。
最初は
「なにこの曲?
なんか変……混ざってる?」
って感じで、ちょっと戸惑った。
でも、気づいた。
「あ、これ、
3つの曲が重なってるんだ!」
そう気づいた次の瞬間。
曲が順番に姿を現していった。
そうして3つの曲を
そのまま書き留めていった。
空に近い場所で過ごした日々は
音と光とやすらぎに満ちていた。
この場所で生まれた曲たちは
〝私という個である
宇宙としての全〟
の現れ。
〝宇宙の響き〟だったと思う。
その中のひとつ
「君住む都(まち)」を
ここに記しておきたい。
『君住む都(まち)』
歌詞『君住む都(まち)』
風が誘う 僕の道は
君住む都(まち)に 今めぐり着く
愛と夢と 希望に満ちた
光かがやく都(まち)に
遠き日々を 思いおこせば
幾度の波があったろう
けれど僕へと 届く声は
失くしかけた 僕を呼んだ
君を腕(かいな)に 抱く喜びは
僕の生きる未来だ
そのやすらぎを その豊かさを
共に歩もう 天地(セカイ)で
幾年月の時代(とき)を越えて
愛する君に 今めぐり逢う
空と海と 大地が語る
光あふれる君に
君を心に 抱く喜びは
僕の生きる勇気だ
その微笑みと その温もりと
共に生きよう 天地(セカイ)で
君を心に 抱く喜びは
僕の生きる勇気だ
そのやすらぎと その豊かさと
共に生きよう 天地(セカイ)で
共に生きよう 天地(セカイ)で
駐車場にしていた場所で
ある日ふと
ここは『天地(セカイ)』だ!
と思った時できた曲。