せっかく
立ち上げた会社だったけど。
30歳くらいになった頃
うつ症状がひどくなって。
会社を続けることが
難しくなっていた…。
うつと解離
やれていたことが
だんだん
できなくなっていった。
またその当時。
うつだけじゃなく
解離の症状もかなり出ていた。
突然
どこかに出かけてしまって。
気づいたら知らない場所にいて
自分が何をしていたのか
分からないことが何度かあったり。
唐突に
違う人格が
勝手にしゃべりだし
ある程度経って
元の自分に戻った時…。
喋った内容を覚えてない
…というようなこともあった。
ある日
当時お付き合いのあった
C さんから聞かされた。
「昨日の夜、君
窓に口紅で何か書いてたよ」
私にその記憶はなかった。
けれど
不思議と自分のその状態に
違和感はなかった。
そうだったの?
と思う程度だった。
それは…。
きっともうすでに
私が壊れていたって
ことなんだろう…。
家庭内の不協和音と
その頃
家庭の中も混沌としていた。
母はくも膜下出血で倒れ
自宅療養中だった。
姉は、がんで余命を
宣告されていた。
私は父に「ただの甘え」としか
思われてなくて。
父は私に対してだけは
厳しく、冷たかった。
C さんは
そんな私のそばにいてくれた。
私の混乱や不安を
静かに受け止めてくれた。
毎日のように
家に来てくれて。
私がどんな状態でも
ただそこにいてくれた。
…それは不倫だった。
でもあの時は
それに向き合う余裕は
私にはなかった…。