第4章: 闇の中で生まれた祈り: 小章2

崩れていく心

せっかく
立ち上げた会社だったけど。

30歳くらいになった頃
うつ症状がひどくなって。

会社を続けることが
難しくなっていた…。

うつと解離

やれていたことが
だんだん
できなくなっていった。

またその当時。

うつだけじゃなく
解離の症状もかなり出ていた。

突然
どこかに出かけてしまって。

気づいたら知らない場所にいて
自分が何をしていたのか
分からないことが何度かあったり。

唐突に
違う人格が
勝手にしゃべりだし
ある程度経って
元の自分に戻った時…。

喋った内容を覚えてない
…というようなこともあった。

ある日
当時お付き合いのあった
C さんから聞かされた。

「昨日の夜、君
 窓に口紅で何か書いてたよ」

私にその記憶はなかった。

けれど
不思議と自分のその状態に
違和感はなかった。

そうだったの?
と思う程度だった。

それは…。

きっともうすでに
私が壊れていたって
ことなんだろう…。

家庭内の不協和音と

その頃
家庭の中も混沌としていた。

母はくも膜下出血で倒れ
自宅療養中だった。

姉は、がんで余命を
宣告されていた。

私は父に「ただの甘え」としか
思われてなくて。

父は私に対してだけは
厳しく、冷たかった。

C さんは
そんな私のそばにいてくれた。

私の混乱や不安を
静かに受け止めてくれた。

毎日のように
家に来てくれて。

私がどんな状態でも
ただそこにいてくれた。

…それは不倫だった。

でもあの時は
それに向き合う余裕は
私にはなかった…。