第3章: 愛と哀: 小章2

魂に触れた夜

20代前半。

私はホステスとして
夜の世界で働いていた。

キャバレーや高級クラブ
そして小さなスナックまで──。

共感力の開花

そこで出会った
多くの人たちとの会話
沈黙、視線…。

それらは
私の中に眠っていた
「共感力」
を開花させてくれた。

その力は
後のパソコンサポートや
ヒーリングなどの
仕事をする上での
大きな支えとなった。

人の言葉の奥にある
本音や
助けを求める声を
拾い上げる感覚として
私の中に深く息づいている。

出会い

そんなある日。

小さなスナックで
H さんに出会った。

最初はどこか
苦手なタイプだと
感じていた。

でも、ある日。

彼が一人で店に来たときに
ふと見せた表情に…。

まるで目に見えない何かが
深いところで触れ合った
…かのような衝撃を受けた。

それは
魂の出会いとでも
言える激しい情動――。

その感覚は
言葉にはできないけど。

あの瞬間
私は確かに
彼を好きになった。

彼との出会いは
私の人生の中で
特別なものだった。

唯一
心から尊敬できた人。
対等でいられた人。
愛を確かめ合えた人。
私が私でいられた人。

そして
ただ彼が目の前にいるだけで
涙が出るような
そんな存在だった。

今でも
彼以上の人はいない。

そう思えるほどの
唯一無二の
魂のつながりだった。