序章: 重たい幕開け: 小章2

歌声

東京から
神奈川に越してから
母の虐待は増していった。

父は
家庭には無関心になって…。

結果として
私は
機能不全家庭で
育つことになった。

また
私には8才年上の姉がいた。

でも幼少期の頃の記憶には
ほとんど残っていなくて。

しいて言えば
家庭内にいるいじめっ子
…という感じだったと思う。

今思えば
家の中にも
気を許せる場所が
なかったみたい…。

引っ越した先の
神奈川の小学校では
転校生…
ということもあってか
よくいじめられてた。

無視されたり
暴力を振るわれたりする
いじめだった。

でも
私は
幼い頃から歌うことが
好きだった。

母も
私が歌うときだけは
違う反応を示した。

今思えば
母のそれは
どこか
誇らしげだったような
気もする。

私は私で
歌に
光を
見ていたのかもしれない。