そこへ、レナがやってきた。
偽りの術(すべ)を手に入れて…。
そうして、レナは
アリオンに言った。
「お兄様」
「む!レナ?!」
「お兄様。愛しています」
「どうしたことだ?!
その、体(たい)は
何故(なにゆえ)だ?!!」
「はい。私も子をなしたくて
お兄様に、愛されたくて
こうして、愛されるべき
体(たい)となりました。
どうか、私にも
種を授けてください。
どうか、愛してくださいませ」
「…。リゲルか?!
弟のリゲルに、任せたか?!」
「はい、博識なるお兄様に
愛される術(すべ)を
授けていただきました」
「なんと、この!愚か者め!!」
そうして、アリオンは
諸刃(もろは)を抜いた。
そうして、それをレナに向けた。
そうして、諸刃(もろは)は
剣(つるぎ)になった。