ある日
アレイアがアリオンに言った。
「アリオン。
あなたは何故(なにゆえ)
偽るのですか?」
「何を言うのか?
私の何が偽りだというのか?」
「レナに対する、愛、です」
「レナに対する愛?
アレイア
君まで何を言うのか?
私の愛が、偽りだというのか?」
「そうではなく。
あなたは、レナに対する
内(うち)なる感覚を秘めている
と言っているのです」
「む…」
「それを持ってして
レナを愛するというのでは
ないですか?」
「では、言うが。
この、君に対する感覚と
違う感覚は、大変熱く
猛々(たけだけ)しい。
私にとって、未知なるものだ。
未知なるものに、私は
任せる事は出来ない」
「では、言いますが。
何が、ソラの真実ですか?
何が、あなたの真実ですか?
覆い隠す事ですか?」
「む…」
「あなたは、あなたで
私は、私です。
そうして、レナはレナなのです。
違う事こそ
ソラの意志であるならば
あなたが、私と同じ愛で
レナを愛することは
むしろ自然ではありません」
「では、この感覚のままに
レナを愛せよと言うか?」
「愛する愛さないは
あなたの意志です。
私は、あなたの真実を
問うているのです」
「……」
「あなたにとって
未知なるものでも
ソラから生まれたものに
あなたが、いないわけが
ありません。
あなたは、あなたで
あなたの全てです」
「…。わかった…。
アレイア。感謝する」
アリオンは
レナに告げようとした。
心の内を明かそうとした。