宇 宙(ソラ)は
ゆっくりと
回転しはじめた。
その内実(ないじつ)に
2つの意識を確認し──。
それゆえ二つの意識体は
追いつ、追われつ
回転しはじめた。
そう。
ゆうるりと、ゆうるりと……。
二つのうちひとつは
黒の意識(男性愛)となった。
そしてひとつは
白の意識(女性愛)となった。
二つの分化した意識は
また長い間
ゆうるりと回転していった。
そののちそれぞれが
ふたつに分かれた。
黒は、兄弟になり
白は、姉妹になった。
そして、ソラは
4つになった。
黒の兄は、名を
〝アリオン・ベテル〟
と、言った。
黒の弟は、名を
〝リゲル・マヨルテ〟
と、言った。
白の姉は、名を
〝アレイア・プロキアン〟
と、言った。
白の妹は、名を、
〝レナ・ジュノン〟
と、言った。
黒のアリオンは
勇猛な力と、そして
種を持っていた。
白のアレイアは
高潔な精神と
生み出す大地を持っていた。
二つの波動の間で
夜が生まれ、昼が生まれた。
そして
黒と白の単純二値は
光と影のスケールを持ち
やがて、色調を持つようになった。
二つは、互いに協力し合い
天地(セカイ)を創造していった。
弟は、じっと待っていた。
妹は、じっと待っていた。
やがて
来(きた)るべき
生命(いのち)の誕生に備えて。
ゆっくりと、時は流れた。