Act03: 発覚: section04

岐路

グゥィィィィン。

「……」
…かつ…。

会所のオート・ゲートを抜け
地上に踏み出す…。

…かつ…。
かつ…。

到底
歩くとは言えない足取りで。

…それでも…歩いてゆく…。

…かつ…かつ…。

胸が…重い…。

…なぜ…。

いや…。
突き詰めれば…。

ここは
EDEN神の支配による
EDEN神が意図した
EDEN神の世界だ…。

全ては
EDEN神の意志によって
保持されている…。

だから…。
ここはこれが…。
…すべて…であって…。

だが…。

思わずともめぐってしまう…。
…僕の思考…。

「は…」

僕はそれを振り切るように
短いため息を吐いた…。

「……」

目線を上げると
D-6のメイン通り
〝イノガシラ〟が見える…。

…左に曲がれば。
プラットホーム…。

右なら…。

カナン…だ…。

会所で
畠さんが出掛けに言った
あの構文は
僕宛のものだった…。

Bクラスの人間は
Bクラス同士だけで伝わるように
日常の会話語の代わりに
BScriptを
使うことがある…。

それは
BScriptで会話をすれば
他の音感クラスとは
会話にならないから

例えばそこに
Cクラスの人間がいたとしても
万が一の不協和音を
避けられるという便利さが
あるからだ。

もっともあの時
会所には
Cクラスの人間はいなかったから

不協和音を避けるため
…というよりは
僕だけに通じさせるため
…という目的で使った…。

<SCRIPT language=“BScript” >
<!–
If thanks=1,go to “KANAN”,end;
//–>
</SCRIPT >

[もし。感謝しているなら
〝カナン〟へ…]

「……」
…感謝…なんて…。
でも…。

畠さんは…知っている…?
呼び出すくらい…なのだから…。

どうしてあの作品が…。

誰が
いったい
いつ
どこで…。
…どうして…。

だが
今日 カナン に行って
畠さんに会ったら…。

…それは…。

…かつ…。
かつ…。
…かつ…。

♪♪… Sin … rai … to the …fai…♪
♪♪…… … member …… oly One ……♪
♪♪… …… and gi … ……♪

〝イノガシラ〟に出た。
…hymnが聞こえる…。

「は…」

僕は浅い息を吐き
それから
胸ポケットのクリスプを探った…。

「……」

硬いボックスが。
手に触れる…。

…ああ…。
EPSON…。
そうか…そのまま持って…。

…EPSON…。
紺谷…。

連想ゲームのように
…言葉がめぐる…。

そして…。
会所での出来事…。

「は…」
いくら息を吐いても
重苦しさは抜けない…。

「……」

くしゃ…。

僕は
手にしたクリスプを握りつぶした。

ぽし。

そしてそれを
廃棄場に投げ入れた…。

「……」

それから僕は
メイン通りを右に折れ
カナンに向かった。